経緯
2018年に購入したENDER3でABSを印刷したら失敗しまくる。試行錯誤して解決できたので共有します。
概要
普段はPLAしか使ってません。ABSは臭いし反るし割れる。避けてます。しかし、3Dプリンターを始めたころに買った未開封のABSが残っている。未開封とはいえ5年前のフィラメントです。捨ててもいいつもりでENDER3の実験に使うことにしました。
ABSの造形の問題点
私が所有している3Dプリンターにはどれも開放型。造形には数日から数日かかるのでエアコンをつけても室温は変化は避けられない。室温が下がると収縮しベッドから浮きがるか、造形物に割れが発生します。
臭いです。ビニールの焦げたときのような嫌なにおいがします。
対応
温度管理にはエクスロージャーを段ボール箱で自作。Amazonで折りたたみできるタイプのものが売ってますが、ABSを使うのは今回限り。かなり頑丈でENDER3がすっぽり入るサイズの段ボールがあったのでそれで自作しました。箱にはのぞき窓を作りました。
匂い問題は3Dプリンターを倉庫へ設置しました。倉庫にはエアコンがありませんが、保温のために段ボール箱を自作したことでそれが可能になりました。
遠隔監視の実装。倉庫までちょくちょく行かなくていいようにWebカメラを設置しました。液晶パネルの前に1つ、ベッドの横に1つ。段ボール箱の中に入れます。箱の中は真っ暗ですが、Webカメラは夜でも見える赤外線カメラ機能があるので照明はつけませんでした。
フィラメントの劣化の問題。5年前のフィラメントなので劣化が心配です。実行するまで乾燥剤を入れた容器で数日放置しました。
造形中の劣化への対応。季節は梅雨入りしていたのでフィラメントに防湿ケースを付けました。
ベッドに定着しない問題。これが一番苦労しました。
ビルドプレート密着性>ビルドプレート密着タイプ>ラフト に設定しました。
まとめ
今まで失敗して原因は3つ。
・湿度によるフィラメントの劣化
・造形中の室温の低下
・小さすぎたラフト
3Dプリンターはどんどん新型が出てきてます。今回、使用したENDER3 V1は2018年リリースの旧型モデルです。構造がシンプルでメンテナンスがしやすい。価格もとても安いので、学校や研究機関にも多く導入されてます。基本に沿ってちゃんと使えばABSの造形ができることを実践しました。